読書感想:著書 又吉直樹『火花』
色々と話題になっていた又吉直樹さんの火花を読みました。
私は結構好きでしたね。
好きな理由は、新しい小説にも関わらず特に新しいストーリー性がなく今までになんとなくありそうな雰囲気の小説だからです。
ですが、作者の又吉さんだからこの作品がつくれて、又吉さんらしいなと最も感じられる一冊だと思います。
それがまた魅力の一つでたくさんの人になにかを感じさせるのだと思います。
特に感動する内容は一切ないのですが、なぜか自分の過去と未来を親身に考えてしまい涙が出てきてしまいました。
泣くような内容ではないのに、視聴者の心を動かせる力があるのは素晴らしい作者の魅力だと思います。
それもまた私がこの本にハマった一つの理由です。
この本の好みの分かれ目は、良くも悪くもリアルな人生感が伝わってくるとこです。
良し悪しをうまい具合にストーリーの中に組み入れて現実感を最大限に表しています。
このバランス感と文字のみでここまで表現していること、私が最も評価している部分です。小説でここまでなにかを感じたことは初めてです。
読んでいる間にこの火花の世界にいるような感覚になったことは驚きました。
これら全て含め私がこの小説を愛する理由です。