アラフォーママの好きなものブログ

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『西の魔女が死んだ』/梨木香歩 を久々に読んでみた感想

私は小説に関しては、自分から進んで新しい本に向かうという事は少なく、読む際は友人や母に勧められて仮ことがほとんどでした。


今までで読んで、印象深いものはたくさんありますが、なかでも気に入っている印象深い本があります。


西の魔女が死んだ』/梨木香歩 作


2001年8月に発売されていたこの本は、祖母を亡くした年の夏に友人に借りて、その後自分で購入するまで気に入った本です。

内容は、中学に進学した主人公:「まい」が、どうも学校に行くことが出来なくなった為、西の魔女でもあるおばあちゃんのもとでしばらく過ごす間に、魔女の修行をすることになるお話です。

好きな理由が、本当に単純なのですが、自身の祖母との思い出を思い出すきっかけになったからでした。


母の母でもある為、お話の内容と少し重複する環境が共感を持てたのもそうですが、私の、祖母に対する思いは複雑なもので・・・この本を読むまでは、冷え切っていました。


母から、「家族を顧みない、人生をままごとのようにして自分ヒロインでしか状況を見られない」と過去の祖母の暴虐の限りを聞いていたため、また、私たち東京の孫が岩手の祖母の家に遊びに行っても、一緒に遊んだり、お料理作ったり、畑仕事をしたり、ほめられたことは一切なかったと思い込んでいたのです。


本を読んで、きらきらした主人公・まいと、おばあちゃんの関係が羨ましくも感じました。
「はたしてそんな時期があったのだろうか」と2度目に読んだ時に、今はもういない祖母との思い出をたどりながら読み進めていました。

 

そうすると、思い出したのです。


一緒に洗濯したこと、枝豆の収穫を手伝ったこと、お手玉を教えてもらったこと、ほんのわずかではありますが、まだまだ私の中にすこし「おばあちゃん」という温かい思い出と存在があったことに気づきました。


母に、それまで祖母に対する思いを話したことはなく、正直に「いい思い出がないよ」と吐露した所、祖母は、孫である私が誕生してすぐに、祖父を置いて飛んできた事実を聞きました。


その嬉しさをかき消すほどの問題を散らかして帰ったようですが(笑)、根っからに悪い人でもなかったんだなと思える事ができた本です。

初めて読んでから10年程になりますが、今でも時間がある時、心を綺麗にしたい時、この本に手が届きます。